夏においしいトマト |
フランスでは生産量はそれほど多くはないが、南フランスではいろんな形で料理によく使われる。生で食べたり、オーブンで焼いて食べたり、ソースに使ったり、イタリア風の乾燥トマトもある。生の場合、オリーブオイルと相性がよく、ニース風サラダ、トマト・モッツアレラ、カマルグ風お米のサラダなど熱い夏にはいい。焼いたとまとでは、トマトファルシ(トマトの肉詰め)、にんにくとパセリとパン粉をのせて焼いただけのトマトプロヴァンサルがおいしい。ソースと言えば、ソースボロニェーズ(日本のミートソースに似ている)が一番ポピュラーだが、カタロニア風、プロヴァンス風、ナポリ風ソースみんなトマトソースだ。家庭では、缶詰のソースが使われるが、凝縮トマトソースは欠かせない。乾燥トマトはイタリアに行くとアンティパスタで食べるが、やや塩気があって、ハーブとオリーブオイルと共に食べる。
子供の頃、トマトは果物か野菜かと考えたことがある。植物学的には子房が変化したものだから間違いなく果物だ。ただ、料理学的には、他の果物のように甘さがないので、塩を加えてつけあわせあるいはソースで野菜として扱われる。フランスのスーパーでは野菜果物は 自分で好きなだけ袋に入れて秤で計るが、トマトは野菜の部類に入っている。
最近様々なトマトが出ているが、Cœur de bœuf(牛の心臓)というトマトがある。縦に筋が入っていて、水分がやや少なく変わった味だ。